全身麻酔に関して気を付けている点の2つめはモニタリングです。

麻酔事故は呼吸停止、不整脈や心筋抑制、血圧低下による循環不全などにより起こります。

麻酔に関して、異常が起きたらどう対処するかといったことも大事ですが、

そもそもできるだけ命に関わる異常を起こさないことが大事であり、

早期に異常を検出するモニタリングの重要性を意識することが大事です。

また生体の状態を正しく評価して異常とその原因を把握しないと、適切な対処もできません。

 

ひと昔前までは注射麻酔薬を打って、ちゃんと呼吸(自発呼吸)をしているかだけ目視しながら手術をする、ということが一般的だったそうです。

その時代と比べて今では人医療と同様にさまざまな情報を自分の五感あるいは生体モニターを通して知ることができます。

 

 

まずはちゃんとモニターを着けること。SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)、心電図、呼気中炭酸ガス濃度、血圧、体温etc

また自分の五感を使って生体反射、CRT、胸郭の動きetc

それぞれのモニターの結果を正しく評価しないといけません。

 

さらにモニター項目の中でも優先順位があります。

ドラマでよく見るような、今にも心臓が止まりそうな心電図の波形が出てしまうと、そこから回復させるのは難しいです。

今までの獣医療では軽視されていましたが、早期に異常を検出するには「血圧」の測定が一番大事です。

常に麻酔モニター、動物の様子に注意しながらできるだけ安全に麻酔を実施しています。