J-VET 2017.May より引用。星克一郎先生より写真をご提供いただきました。

猫のフィラリア症により重度の呼吸困難とショック状態を呈している猫ちゃんです。苦しそうですね。

 

この状態から回復できるかは現時点では運次第です。同じ治療をしても助かる子もいれば治療の甲斐なく亡くなる子もいて。どちらかというと亡くなる子の方が多いです。

しかし、猫がフィラリアに感染しても普段は無症状です。ある時急に症状が出て、初めて異常に気付くことができます。

 

猫の犬糸状虫症(フィラリア症)は犬のそれとは異なります。

〇症状

犬では咳や腹水貯留などが一般的で慢性経過を辿ることが多いです。

猫では呼吸困難、咳が突発的に起こり急性の経過を辿ります。数日の間に苦しみながら亡くなってしまうことが多いです。

〇検査

犬では病院内の血液検査(フィラリア抗原を検出)、心臓のエコー検査で成虫が検出できれば容易に診断が付きます。

猫では診断が難しいです。病院内の血液検査(フィラリア抗原検査)、外注の血液検査(フィラリア抗体検査、数日かかります)、胸部レントゲン検査、心臓のエコー検査、臨床症状などから総合的に判断します。

〇治療への反応

犬ではフィラリア症と分かってからも何とかなることが多いですが、猫では治療に反応する前に亡くなってしまうことも多いです。

 

しかし、予防は簡単です。1か月に1回背中に垂らすお薬で予防できます。

薬について・料金などはこちら

<料金表> 猫のフィラリア予防は5月末から11月末までの7回あるいは5月末から10月末までの6回が必要です!

 

実際は猫がフィラリア症で亡くなってしまうことはまれです。

猫のフィラリア成虫感染に対する抵抗力は強く、成虫寄生率は犬の1/5~1/20と報告されています。病気になる可能性がほとんどないから予防しなくてもいいんじゃないか?

当院では犬のレプトスピラ症のワクチンも同じように捉えています。感染・発症する可能性は低いが、発症すると治療が困難で亡くなることが多い。レプトスピラ症は人工透析をすれば治癒率はかなり高くなってきましたが(高額)、猫のフィラリア症は基本的に亡くなってしまいます。

 

猫のフィラリア症の現状を知ってもらった上で、

かかる可能性は低いのだから感染・発症したらしょうがないと自然に任せて諦めるのか、

予防できるものは予防してあげてその分安心して生活していくのか、

一緒に考えましょう。

疑問点などお気軽にご相談下さい。