「口内炎だけど、猫エイズ陽性だったから

もう無理なんでしょ?」

「治療は諦めるしかないんですよね。。」

いいえ、そんなことはありません!

猫エイズは口内炎の発症要因の一つであるのは

事実ですが、口内炎の治療は別問題です。

犬猫に歯の疾患は多いです。

犬では歯周病(歯槽膿漏)が圧倒的に多く、

猫では

・ネックリージョン

(別名:破歯細胞性吸収病巣etc)、

・歯周病、

・歯肉口内炎が多いです。

 

猫エイズウィルスに感染しているかどうかは

検査キットで判定することができます。

猫エイズは人のエイズと同じで

免疫不全を起こしてくる病気であり、

感染してしまうと根本的な治療法はありません。

外に出さない、ワクチンを打つなど

予防が大事な病気です。

しかしエイズに関連して起こってくる

症状を良くしてあげることはできます。

 

猫の歯肉口内炎は別名、難治性口内炎と

言われることもあるほど治りにくいです。

原因がはっきりわかっていませんが、

猫エイズウィルスや猫白血病ウィルスに

感染していると発症しやすいことは

分かっています。

 

抗炎症薬や抗生物質、レーザー治療、

デンタルケアなど

様々な治療が行われてきましたが、

一番効果を期待できるのが

抜歯治療(全臼歯抜歯or全顎抜歯)です。

通常、奥歯を抜く全臼歯抜歯を行い、

それでも改善が乏しい子には

犬歯と前歯すべての歯を抜く全顎抜歯が

適応になります。

34頭の歯肉口内炎の猫に全臼歯抜歯を行うと

7割が完治・改善し、

改善の見られなかった症例の内、

全顎抜歯をした5症例のすべてで

完治・改善がみられたというデータがあります。

 

 

10歳、去勢オスのキングちゃん

1か月前からご飯を食べにくそうにする、

とのことで来院しました。

体重が1kg近くやせていました。

身体検査にて歯肉口内炎を診断。

写真ではわかりにくいですが、

口腔後部から口峡部(矢印)が

真っ赤にただれることが多いです。

各種検査を行うと、猫エイズ陽性が判明。

猫エイズはあくまで発症要因であること、

治療により口内炎の改善は見込めることを伝え、

後日、全臼歯抜歯(奥歯を全部抜く治療)を

行いました。

 

以下飼い主さんに協力していただいたアンケートです。

 

その後、同居猫のうち3頭も抜歯を行いました。

また後日お伝えしますが、

他の子はネックリージョンという

虫歯じゃないけど

歯が溶ける病気でした。

これは見逃されることが多いのですが、

猫の40%に起こってきます。

 

猫の歯肉口内炎は抜歯により

根治治療あるいは症状の劇的な改善

見込める病気です。

猫の全臼歯抜歯を行う病院も

まだ多くないと聞きます。

 

満足に食べられなくなり

体重減少など起こってくると体力もなくなり、

それだけ麻酔リスクが高くなってしまいます。

(ASA分類がクラス1or2からクラス3に悪化)

体重減少が進む前に、

早めに一度ご相談下さい。

 

 

当院で治療する場合(税別)、

3kg、猫、

初診時の術前検査と内科療法で15,000円くらい。

全臼歯抜歯、

1日点滴入院(麻薬の鎮痛剤使用)、

術後の治療薬等も含めて75,000円くらいです。

お家に帰ってすぐにご飯を食べるようになる

子も多いです。

遅い子でも1-2週間で症状の改善があります。

今まで続けていたお薬の治療をしなくて済む

ようになることも多いです。