変形性関節症(AO)と診断し治療を行う場合、

薬物治療だけでなく

「行動療法」を合わせて行うことが大事です。

薬物治療には消炎鎮痛剤や各種サプリメントがありますが、

個人的に好んで使っているのはカルトロフェンベットという注射薬です。

今までの薬物治療と違い関節軟骨の修復作用があること、

動物用医薬品として認可が取れていること(動物にも人体薬をよく使っています)、

効果がしっかりあるのに副作用がほとんどないことが気に入っています。

また注射の間隔は週に1回、それを4セット行うと1クール終了です。

通院が難しいという方では内服のサプリメントを使ってもらっています。

 

行動療法では床を滑りにくくする、段差の昇り降りを少なくするなど

関節に負担がかからない生活を心がけてもらうこと。

その中で一番大事なのは、

肥満により足腰に負担がかかっている子では体重を落とすこと、ダイエットです。

肥満が跛行の発症要因でもあり、跛行を長引かせる持続因子にもなっています。

太ったままだと、さまざまな治療を行ってもうまくいかないことがありますし、

再発もしやすいです。

健康であれば少々太っていても問題ないですが、

関節が弱くなり足腰に負担がかかっている子ではダイエットは治療として必須です。

 

 

実際の症例です。

19歳、避妊メス、雑種犬のルナちゃん。

元々21kgあった体重が12.8kgに減ってかなり痩せてしまっていました。

だんだん後肢がふらつくようになり、足腰が弱ってきたなぁと

飼い主さんは感じていました。

3週間前から支えないと後肢が立たなくなりましたが、

年のせいでしょうがない、とそのまま経過を見ていました。

今回は陰部からおりものが出るとのことで来院しました。

膀胱炎を考えられていましたが、おりものは膣炎であり、

治療ですぐに良化しました。

後肢も各種検査を行った結果、

変形性関節症(AO)±馬尾症候群(神経の病気、後肢が麻痺して歩けなくなる)

と仮診断しました。

 

確定診断にはMRI検査が必要です。

馬尾症候群では、場合によっては手術が必要になるかもしれません。

相談の結果、ひとまず対症療法を行いその反応をみて

次の手を考えていくことになりました。

カルトロフェンベットの注射を行い、1週間後に再診となりました。

 

そして1週間後の再診時には少し改善が見られ、

さらに1週間後の3回目の注射時にはだいぶ歩くようになっていました。

4回目の注射時には少しぎこちない程度に歩くようになり、

その後はしばらく様子を見てみることになりました。

 

以下、飼い主さんに記入していただいたアンケートです。

参考になれば幸いです。

 

年だから歩行異常はしょうがない、と諦めないで

一度動物病院に相談してみて下さい。

 

次回、治療編その2に続きます。。