「病気は人間が自らの力をもって自然に治すものであり医者はこれを手助けするものである」これは医学の父と言われるピポクラテスの言葉だそうです。どこかで聞いたことがあったよなと今回調べて知りました( ;∀;) 常々思っているのは、僕たち医療従事者がしているのは、病気が治るのを邪魔している要因をなくし、患者さんが病気を治そうとしている力を後押ししている、ということです。医者が病気を治してやっているんだ!というのは傲慢だと思います。その考えを体現しているのが再生医療だと考えていて、当院では治療に取り入れています。

今回は多血小板血漿(PRP)療法を用いた再生医療について書いていきます。

 

この治療法により、既存の治療では治らなかった病気が治る可能性があります。またより早く治る可能性があります。具体的には骨折、歯科治療、シニア動物に多い関節炎、猫の慢性鼻炎、短頭種に多い慢性角結膜炎(KCS)などに用いることができます。

PRP療法は安全性、有効性が高い治療法です。

 

(写真は分かりにくいですが左肘関節内にPRPを注入しているところです。)

 

僕自身がPRP療法、再生医療に出会ったのは代診1年目の勉強会でした。その圧倒的な治療効果に感動し、日々の症例の勉強と並行して少しずつ学んできました。2年前に人医のPRP研究会にも出席し、そこで沖縄県でPRP療法を数多く実践・報告されている田中先生とお会いすることができ、一晩じっくりお話を伺うことができました。その後、田中獣医科病院(http://tanaka-juui.com/feature.html)も訪問し、ブログには載っていないことまで詳しくノウハウを教えていただきました。

 

PRP療法の特徴は3つあります。

1つ目はPRPに多く含まれる血小板は血を止める働きだけでなく、サイトカインといって組織の修復力を高める物質を豊富に持っていることがわかってきました。そのサイトカインを局所で作用させることで組織の再生を促すことができます。

2つ目は病院内で作成が可能であり、即日使用することができます。

そして3つ目は自分の血液から作られるためアレルギー反応など生じにくく、培養操作が不要で細菌の増殖なども起こらないため安全性が高いです。

 

逆にPRP療法の欠点は、獣医療では症例報告は多いのですが、質の高いエビデンス(この治療法が良いと言える証拠)が少ないことです。そのため何にでもPRP療法を適応するというのは望ましくなく、適応となる症例を選んで信頼性のあるデータを残していくことが重要であり、課題となっています。

 

PRP療法は安全性、有効性が高い治療法です。

この治療法により、今までの治療では治らなかった病気が治る可能性、今までよりも早く治る可能性があります。

 

人医療ではPRP療法は国に申請が必要であり、獣医療においても細胞治療ガイドラインhttp://j-arm.biz/guidelinesが策定されました。当院ではこれに準じて、何にでも乱用するのではなく、適応症例も検討し実施していきます。

 

今の治療に行き詰まりを感じている方、特に歯科治療、シニア動物に多い関節炎、猫の慢性鼻炎、短頭種に多い慢性角結膜炎(KCS)に関しては治療効果が高いと考えています。今後症例報告もしていきます。料金等も含めてお電話でも一度ご相談下さい。