コラム
FIP(猫伝染性腹膜炎)、学会発表と今後の展望
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37551843/
当院でも取り扱いしており、猫ちゃんの状態、飼い主さんの状況を考慮したうえで相談して使用しています。
*2019.10月からFIPの治療にはMUTIAN(商品名:Xraphconn)を用いています。
→FIP治療の報告をしてきました
MUTIANの処方には猫ちゃんの来院が必須(代理の方が連れてきても大丈夫)です。
予約がなくても順番で診察可能ですが、
来院前に一度お電話ください。
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病院をお休みさせていただいて、ご迷惑をおかけしました。
先日、日本獣医内科学アカデミーという
全国から獣医師が集まるとても大きな学会で
「FIPドライタイプに対する
シクロスポリン療法に関する予後因子の検討」
というタイトルで研究発表をさせていただきました。
獣医師の関心も高く、FIPの演題が2題続いたのもあってか
会場は立ち見の方もたくさんおられました。
そしてFIPの発表が終わると
そそくさと退室される方がたくさん(苦笑)
今回の発表の要点は
・FIPドライタイプも末梢血の遺伝子検査で診断できる
(日本獣医生命科学大学 獣医衛生学教室のRT-PCR法にて)
・シクロスポリンはFIPウィルスの増殖を直接抑制する効果がある
・高用量のシクロスポリンでも副作用はほとんどない
(開始初期の嘔吐や下痢といった消化器症状、
人医で問題になる腎障害や
単剤で用いると免疫抑制はほとんど問題にならない)
・発症早期に治療開始すると生存期間が長い
(治療開始からの生存期間:54-395日、中央値89.5日、
その中の6例中4例は発表現在も生存中)
今までこの病気で亡くなってしまった子、
今この病気と闘っている子の
生きた証が次の病気の子の助けになるように
できるだけのことをしていきたいと思っています。
後日、発表内容をブログにも書かせてもらい、
ちゃんとしたエビデンスになるように
論文にもしないといけないと思っています。
取り急ぎ、ご報告と連絡先の案内を。
治療法について→再稿:FIPを治療できるものに!(治療プロトコル掲載)
〇獣医師の方へ
・発表では緊張していたので、しっかり強調できていませんでしたが、
まずは「診断」が第一です。
まだまだわかっていないことも多く、
データの収集もされているそうなので、
日獣大の田中教授にご連絡いただき、遺伝子検査をご依頼ください
田中 良和教授の研究者情報→こちら
(問い合わせは飼い主さんからではなく、
担当獣医師からお願いします。
実際に治療するのは主治医の先生
との配慮から、だそうです)
Tel(代表):0422-31-4151
実際の使用に関して不安に感じることも多いかと思います。
細かいノウハウなども、僕に伝えられる範囲で
お伝えしますのでお気軽にご連絡下さい。
研究発表の疑問もご連絡下さい。
(「メッセージを送信」からメール下さい。
返信が数日送れることがあります、お急ぎの場合お電話下さい)
Tel:082-434-9177 さくらペットクリニック
〇飼い主の方へ
この治療法は現段階ではケースレポート、という段階です。
臨床獣医師が用いるエビデンスレベルで言うと
6段階の上から5番目のもので、
信頼性はとても低いです。
数人の獣医師にも聞きましたが、
このエビデンスを根拠にぜひ使ってみましょう、
とは獣医師側からは言い出しにくいです。
ただ、飼い主さんの方から
「こういう治療法があるんだけど、
効くかどうかわからないけどやってみたい!」
と訴えがあれば使いやすい、という意見でした。
当院の治療データや全国からのご相談を聞くと、
既存の治療をいろいろやって効果がなく、
どうしようもなくなった状態から始めたのでは
効果がでる可能性はかなり低くなります。
どの病気もそうですが、特にFIPでは
症状が出てから、できるだけ早期に使用することができれば
うまく効いてくれる可能性が高まります。
今後、できるだけ早期に
エビデンスレベルの高い研究結果を出せるように
努めていこうと思っています。
それまでは、ぜひ飼い主さんの方から
獣医師に働きかけを行って下さい!
現時点では飼い主さんからの問い合わせも受け付けています。
ご連絡下さい。
(「メッセージを送信」からメール下さい。
返信が数日送れることがあります、お急ぎの場合お電話下さい)
Tel:082-434-9177 さくらペットクリニック
よろしくお願いします。